クローゼットランド
もうめちゃめちゃ怖い映画です!と 前評判聞いてドキドキしてみましたが・・ ・・え〜とすずめ的には怖くなかったです。 どんな映画かといえば・・ ヒロイン/マデリーン・ストウを 質問者・アラン・リックマン氏が93分間 拷問しているだけ!という、まさに拷問映画。 心理的に怖い映画で、わっと驚かすような シーンはありません。 ゾクゾク系な心理圧迫映画。 映画にエンターテイメント性や娯楽性を 求める人には「見るのが拷問だ!」・・・とか 思われてしまうでしょう(^^;) ふつ〜に映画ファンと言う方には、まったくお勧めできません。 「映画代(レンタル代)返せぇ!おらぁ」と暴動されてしまうかもしれません(笑) ・・しかし。私の意見を言わせてもらえるなら、めっちゃめちゃ面白かったです!! この映画を心の底から「く〜〜っ最高〜!!」とか思いつつ面白く見れる すずめは単に病気です!(きっぱり)(笑) 何が面白いって、2人芝居で2人しか出演していないから(マデリーン・ストウの 独り芝居のところもあるものの)93分間、ほぼず〜〜っとアラン・リックマン氏が 出ているんですよ〜〜っ!! すずめと同じ病気です!と言える「アラン・リックマン氏ファン」なら 堪能できること、うけあい(笑) ただし!「いつか晴れた日に」の「ブランドン大佐のような美しい紳士の アラン・リックマン氏が好き!」・・と言う方も見てはいけません。 この映画に出るのは、背筋の凍るようなアラン・リックマン氏のお姿です。 「アラン・リックマン氏なら、たとえサドでも似合うでしょう!きっと かっこいいわ!」・・と言えるお嬢さん!レンタルショップに走って下さい!(笑) 「恐怖」を演技という魔術で具現してみせるアラン・リックマン氏は 本当にかっこいいですっ! さて、映画の内容についてですが・・・ 出てくる役者も2人だけなら出てくる部屋は(回想シーン以外は)ひとつだけ。 (「ドラキュラ」で日本人としてオスカーを獲得したことのある 石岡瑛子がデザインした部屋だそうで)白と黒のモノトーンで統一された、 無意味にアートな部屋にヒロインは監禁されています。 ・・・・ひたすら無駄にアートだった・・・机が無駄に回ったりする(笑) しょっちゅう、ぐるぐる回してたなあ・・・・アラン・リックマン氏。 意味ないだろう・・・机を無駄にぐるぐるしても・・と見ながら思ってました(笑) (いつもリックマン氏がする)あのスマートで妙にきびきびした動きで、ぐるぐる 机を回すアラン・リックマン氏はやはり、かっこいいんですが(←単に病気) はじめは監禁したヒロインに紳士的に(?)質問を繰り返すアラン・リックマン氏。 スーツと眼鏡の似合う、拷問や詰問が苦痛・・・と思わせる疲れたインテリ風の 演技を見せてくれます。 ・・・なぜか水筒に入れたスープをいつもヒロインにすすめるのはちょっと不思議(笑) (そこがどことなく「可愛い」です。・・というと「50代のおやじ(失言)俳優の どこが可愛い?」(冷たい目)とマトモな周りの友人に引かれてしまうんですが(笑) ・・でも、かわいい・・・・(小さく主張)) そして、この映画の見せ場はなんといっても、このあとのシーン。 ヒロインがかたくなに書類にサインするのを拒むので、ヒロインに目隠しをして 「拷問吏を連れてくる」と言い残し「インテリ風の質問者」が、その部屋を 去ったあとのシーンです。 目隠しをされたヒロインの前に「拷問吏」と「ヒロインの共犯と疑われている人」が 連れて来られます。 そうして目隠ししたヒロインの前で「拷問吏」は「ヒロインの共犯と疑われている人」を 拷問して、ヒロインに恐怖を感じさせるのですが・・・・ 実は「拷問吏」も「ヒロインの共犯と疑われている人」も、両方とも アラン・リックマン氏が演じるのです! つまり、目隠ししたヒロインを騙して、「新たに2人」の人間がいるよう 見せかけるんですが・・・・ 「拷問吏」も、「ヒロインの共犯と疑われている人」も、機械で声を変えた アラン・リックマンなんです〜 目隠ししたヒロインの前で、一人で「拷問する人」の台詞と「拷問される人」の 悲鳴を出すアラン・リックマン氏!(笑) すごいです!熱演です!!! 「虐待に慣れたどこか卑屈な拷問される男」の『卑屈(M)』と「拷問を心から楽しむ 拷問吏」の『快楽(S)』を二人ぶん演じるんです!! 「白状しろ!しなきゃ拷問するぞ」と「いや〜それだけは御勘弁を〜」の悲鳴を アラン・リックマン氏一人で喋るんだからちょっと笑えます(^^;) ある意味笑いました!!(笑) 「え〜?そんなんで2人の人間がいて拷問してるように聞こえるか?!」と 思われる、そこのお方!! 聞こえるんですよこれが!! 「拷問吏」が音をたてながらトマト食ったり(ぐちゃぐちゃいう) 鉄串を灼いたりするのが、ほんとに誰かが誰かを拷問してる音に聞こえる〜 この一人ニ役演じてみせる、汗だくのリックマン氏は滑稽ながらも、 「目隠しされたヒロインが私だったら、本当に目の前に2人の人がいて拷問が行われて いると信じて疑わないろう!」と断言できる見事な演技力でした(本当に) ・・・でも笑うだろう。あれは(笑)客観的に見て。 目隠し無しだと、笑うと思うんですが。(笑われたら拷問にならない・・・(笑)) 最後のシーンでは、ヒロインの性的虐待の象徴「クローゼット」で尋問するリックマン氏。 異常に色っぽいです!!そこが怖いです!(←それじゃ拷問じゃないだろ(笑)) あんなかすかに無精髭はやして、汗だくで白いYシャツのはだけたアラン・リックマン氏が 耳もとに唇つけて、あの低音で性的に怖いこと囁いたりしたら、気絶です!(←悪い病気と 思われます(笑)重症。) 最終シーンでは拷問は徒労に終わり、疲労感のみをただよわせるアラン・リックマン氏。 ヒロインが破る書類の紙片が飛ぶ向こうで、徒労と悲哀と怒りと・・かすかな敬意を こめてヒロインを見る顔が、この映画の全てを象徴してれます。 ・・・くっ・・・拷問吏の役のくせにこの顔が、かっこいいんです・・すごく。 誤解のないよう補足。「クローゼットランド」は恐怖映画です。・・たぶん(笑) |